[コンサートレビュー]8TURN in フェニックス:夢から情熱へ、そして“火”へ

ファンが叶えたアメリカ凱旋
KCON LAでのステージを終えた後、8TURNは「またアメリカに戻ってきたい」と語っていた。その言葉通り、彼らはフェニックスの地に帰ってきた。支えてくれたファン、Turniesへの感謝を体現するかのような、情熱あふれるライブだった。

開演早々、アリゾナの夕日について語り「とても美しかった」と話す場面も。観客に「フェニックスの色は?」と聞かれ、「オレンジ」と「ライトグリーン」と答える姿は、土地とファンへのリスペクトを感じさせた。

完璧に揃ったオープニング
ライブは圧倒的な2曲で幕を開け、一気に空気を掴んだ。8人の隊列は完璧で、振り付けは一糸乱れず、フォーメーションも終始安定。明るめの照明と迫力ある音響で、メンバー一人ひとりの表情もはっきりと見えた。自己紹介ではリーダーが流暢な英語で会場を盛り上げた。

バク転が飛び出すダンスや、手振りの大きい振り付けなど、それぞれの個性が光る瞬間が詰まった前半パートだった。

サブユニットと驚きの連続
一度メンバー全員がステージから姿を消した後、突如登場したのはサブユニット。なんと8TURN初のユニットパフォーマンスだった。その完成度の高さに会場は驚きに包まれた。衣装も一新され、赤髪のメンバーが筋肉を見せて観客を沸かせるシーンも。

後半には別のユニットが登場し、黒の衣装に雷鳴と暗転の演出からスタート。キレがありながらもしなやかなダンスが映える、視覚的に圧倒されるパフォーマンスだった。

ファンとのつながり
Q&Aコーナーでは、ファンが書いた付箋をメンバーが引いて質問に回答。「いつからTurnyになった?」という問いには、「KCONから」「デビュー時から」「Road to Kingdomから」などさまざまな声があがり、会場の一体感が一層深まった。

その後はダンスなしでのボーカルセクション。歌いながらアイコンタクトを交わす演出は、シンプルながらも心を打つひとときだった。

カバー、ダンスバトル、そしてカオス(良い意味で)
会場のテンションが一気に爆発したのはここから。マンネラインが暴れ回る中、「Not Like Us」のリミックスが始まり、全員がジャンプしながら熱狂。誰がリミックスしたのかは不明だが、このセクションは間違いなく盛り上がりのピークのひとつ。

続いて行われたのは4対4のダンスバトル。サッカーボールなどの小道具も使いながら、全力のパフォーマンス。ENHYPENの「Fever」と「Bite Me」のカバーも披露され、観客投票(?)でFeverチームが勝利。筆者はBite Me派だったのでちょっと悔しい(笑)。

ENHYPENの「Pass the Mic」やIVEの「Love Dive」など、Road to Kingdomでのカバー楽曲もメドレー形式で披露。これが“カバー”の域を超えた完成度で、ダンスも衣装もステージングも本気そのもの。スタイリストさんにも大きな拍手を送りたい。

クライマックスとファンサービスの嵐
終盤では「LEGGO」の簡単な振り付けを観客に教え、一緒に踊る時間も。ラストの「LEGGO」本編では激しくもブレないダンスで、視覚的にも大満足のステージだった。

アンコールでは、全員がグッズのフーディーやTシャツに衣装チェンジして再登場。2曲目ではファンサの嵐!観客のスマホを取って自撮りをしたり、手を振ったりと、会場のファンを全力で喜ばせてくれた。

最後の曲はダンスなしのしっとりとした歌唱。メンバーそれぞれが感想を述べ、会場に感謝の気持ちを伝えた。

そして、リーダーが最後にこう締めくくった:
「フェニックスには、特別な“火”がある。」

Turniesと8TURNがともに灯したその“火”は、夜が終わってもずっと燃え続けていた。

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